患者の今後も左右するICUでの仕事

ICUの特徴にフォーカスすると、そこで働く看護師のやりがいがどんな所にあるのか見えてきます。急性期の患者が対象なので、非常にシビアな現場ですし、勉強しなければならないことも多いのがICUの特徴です。日々起こることもさまざまで、ICUで働く看護師は急な変化にも対応しなければなりません。緊張感が高く厳しい現場ですが、それがやりがいにもつながります。 例えば専門科に所属する看護師であれば、該当する器官に関連した疾患について深く学んだり経験を積むことになるでしょう。そうした専門科に対し、ICUは特定の器官に関連した疾患だけでなく、全身に症状が出ている患者を対象とすることが多いので、把握しなければならない疾患や症状が多岐にわたります。その広い分野を勉強することに、やりがいを感じる看護師も多くいるのです。

このように様々な症例を継続して学び続ける必要があり、とても大変な仕事ですが、自分の学びが患者への重要なケアへ繋げられるのは、大きなやりがいと言えます。 集中治療室であるICUに患者がいるのは、最大でも2週間です。搬送からたった2週間の間に、超急性期の状態を脱して一般病棟へ移れるかどうかが決まってしまうのです。また、超急性期を脱したとしても、継続して治療を行わなければならない後遺症を抱えることになる方も少なくありません。ICUでの仕事は、そんな患者の今後を決めるといっても過言ではありません。とても重要な早期の段階でのケアが行えるのは、ICUで働く看護師だからこそ得られるやりがいではないでしょうか。